「沈黙は、気まずいです」
――いちいち頭のなかで言葉に変換なんかしてないよと。
「そうかもしれない」
――聞き手とあまりに話が噛み合わなかったり。
「そこは別に気にしません。その人のサッカーの見方があるし」
――今日、僕は決めていました。沈黙を恐れない。二川さんがしゃべるまで、こちらもじっと黙っている。
「めっちゃ気まずいじゃないですか」
――沈黙は気まずい?
「はい」
――てっきり、平気な人だと。
「いや、気まずいです」
――06年、日本代表に召集されたときは、ほかの選手と全然しゃべらなかったと。
「自分としては、それなりにしゃべっていたつもりなんですが」
――そうなんですか。やはり空気が和んだほうがうれしい。
「緊張した雰囲気は苦手です。真面目な話とかつらい」
――ここで時間を巻き戻して、昔の話を聞かせてください。ガンバ大阪ユースの頃、キャプテンに指名されてますね。
「監督が西村(昭宏)さんのときに」
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