藤春廣輝が語る「長谷川監督の守備練習法」
今季3年目を迎えた左SBの藤春廣輝は、そんな守備面におけるコンセプトの浸透をもっともプレーで体現している。
チーム屈指の韋駄天は、ややもすると従来のガンバ大阪を象徴するようなプレースタイルだった。攻撃面では抜群の存在感を発揮するものの、守勢に回った時や背後を突かれた際の脆さでチームの綻びを招く「もろ刃の剣」でもあった。
そんな背番号4が、オーバーラップではもちろんのこと、今季は守りの場面でも飛躍的な成長を見せる。昨年までは藤春の絞りの甘さから失点を招くことも珍しくなかったが、今季クロス対応はもちろんのこと、俊足を自陣の危険地帯のケアでも生かしている。
一昨年のデビューイヤーはDFリーダーの山口智の声を頼りにピッチを駆け、昨年序盤はポジショニングや動きの判断にやや迷いのあった藤春はもはや、別人の顔を見せる。
「サイドバックなのでまずは、守備が第一。守備をこなした上で攻撃参加に加わろうと、僕の意識が変わってきた。西野さんや松波さんの練習は、ほぼゲーム形式だったけど、守備はこうしろというパターンがなかった。
健太さんになってからは、そういう決めごとが徹底されている。練習中にクロス対応や守備の練習を繰り返しやるので、もう言われなくてもポジショニングが分かるようになってきた。それに、ポジショニングがしっかりしていると、僕の速さは守備面でも生きる」
5節までは1勝4分けと開幕ダッシュに失敗し、失点数も計7失点と新たな守備戦術にやや戸惑いを見せていた選手たちだが、徐々にチームは昨季までとは異なる組織性を見せ始めた。
続きは『フットボールサミット第15回 『攻め勝つ』ガンバ大阪の流儀』にて、お楽しみください。