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CLよりも上? バルサ対レアルの“クラシコ”が世界で一番盛り上がる理由

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta

歴史と切り離せぬクラシコ

 正直、マドリー側には、そこまでの思い入れはないだろう。実際、レアル・マドリーのもともとの創設者がカタルーニャ人だったのは、誰もが口に出さないだけで公然の事実だし、征服者よりも虐げられたものの方が強い感情を持つのは、世界共通のことだろう。

 現在のマドリーやアンチェロッティはそういった歴史よりも、今回勝利をあげて勝ち点3点を獲得すれば、首位として肩を並べることができるとそっちに重きを置いているに違いない。

 それでも、今年のクラシコでも、スタジアムには、「カタルーニャはスペインではない」と書かれた旗が通常よりも数多く翻り、前半のみならず後半17分にも、「独立を!」とスタンドは繰り返し、叫ぶことだろう。ホーム&アウェー戦のホームの醍醐味を味わうというのは、そういった要素も全て含めてのことなのだ。

 “クラシコ”は、もともと古典、伝統などのコンセプトがありきの言葉だが、“模倣するにふさわしい好例”の意味もある。

 どうしてクラシコがクラシコなのか、その歴史的所以も知った上で、世界中のサッカーを愛する人々がいつか生で見てみたいと思うような、サッカー選手を目指す若者たちが、いつか自分もあのピッチでプレーしたいと思うような、そんな胸に迫ってくる試合になることを今年も期待せずにはいられない。

 歴史とクラシコが簡単に切り離せないのも事実だが、そのおかげでこれだけテンションの高いゲームが見られるのだから、スポーツファンがそれを逆手に楽しまない手はないだろう。

【了】

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