監督も評価する積極的にシュートに絡む姿勢
鼻っ柱の強いこの21歳は、ことサッカーに関して真摯さを忘れない。「気候も涼しくなってきて、これで走れないようではどうしようもない」と話していた通り、栃木戦や120分間を走り抜いた天皇杯3回戦の大宮戦あたりからは、明らかに動きの質が高まり始めている。
若手に関しては辛抱強い起用を心がけ、決して芽を摘まない長谷川健太監督も当初から、宇佐美のウイークポイントは認めていたものの、それ以上に魅力を感じているのが日本人離れしたシュート力。
天皇杯の大宮戦ではシュート4本、富山戦ではシュート6本と積極的にフィニッシュに絡む背番号39を「FWとして毎試合シュート4、5本打てるのは凄いこと。後はその決定力を高めるだけ」と長谷川監督も評価する。
全盛期のG大阪を支えたアラウージョやマグノ・アウヴェスらは、とにかく一試合あたりのシュート数が多かった。もちろん、ここ一番での精度の高さも兼ね備えているのだが、彼らブラジル人エースに共通するのがシュート数の多さ。
思い切りの良さとずば抜けたシュート力を発揮させるべく、指揮官が送り出したのが富山戦の新布陣だった。FWに手駒を欠いた2008年シーズンにも西野朗元監督の「ヤットのキックの精度をFWとして活かしたい」という狙いから遠藤のFW的な起用は行われていたが、富山戦では遠藤が終始高い位置でプレー。
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