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パレスチナ問題、日韓関係から考える。サッカーは“代理戦争”の場としてふさわしいのか?

text by 三浦有喜 photo by Yuki Miura

サッカーだからこそできることがある

 対照的に今回の韓国人サポーターの例は、ふさわしくない例となった。この条件にはそぐわないからだ。ハングル文字で書かれた横断幕は、誰に対するメッセージなのかも定かではないし、そのメッセージがどのような意味を持つものなのか。甚だ疑問であるためだ。

 これらの条件が成立した場合は、サッカーが代理戦争として「ふさわしい」ものになる、というのが私の考えである。政治は利権が絡んだり、思惑が複雑に入り乱れるため、平等な立場で話し合うことはまず困難である。また、軍事力や発言力も国によって異なる。しかし、サッカーはそうではない。誰に対しても平等であるからだ。

 パレスチナは、国連からは国としては認められていない。国連に正式加盟国として認められるためには、安全保障理事会の承認が必要だが、常任理事国であるアメリカが反対するため、吉報が届くことは当面無さそうだ。

しかしながら、FIFAからは、パレスチナ代表として国際試合を行うこと認められている。サッカーボールを通じて世界中に「パレスチナ」という国の存在を示し続けている。

 サッカーは、世界中で親しまれているスポーツだ。ボールひとつあれば誰でも参加できるし、別け隔てなく楽しめるスポーツである。だからこそ、サッカーを通じて、伝えていけることもあるのではないだろうか。

【了】

提供:徹マガインディーズ

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