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パレスチナ問題、日韓関係から考える。サッカーは“代理戦争”の場としてふさわしいのか?

text by 三浦有喜 photo by Yuki Miura

マイナスなイメージを発信した韓国サポーター

 後半ロスタイムの劇的なゴールにより勝利を収めた日本だが、少なからずサポーターの声援が影響を及ぼしていたようにも感じる。本稿では「サッカーと政治」にフォーカスを当てているため、サポーター論にまで言及するつもりはないが、この横断幕を掲げた韓国人サポーターが選手をサポートする役割を果たしていたかどうかというところに関しては疑問を呈したい。

 さて、私が感じたことは、この横断幕が英語ではなくハングルだった点だ。ハングルで表記するよりも、英語のほうが幅広く伝わるはずである。だが、ここでハングルを用いているということは、外に対してのメッセージというよりも、国内に向けてのメッセージであったのではないだろうか。

 日本という「敵」を作り出し、より結束を高めようという狙いがあったのかもしれない。これは私の推測に過ぎないが、どんな理由があったにせよ、このようなメッセージを掲げることには大きな疑問を感じる。

 先ほどのパレスチナ代表選手のサルサクの例と決定的に違うのは、外に対してのメッセージなのか、内向けへのメッセージなのか、という点だ。サルサクの例は、不当な扱いを受けている他のパレスチナ囚人がいることを世界中に知らせるという点でも、優れた”広告塔”の役割を果たしている。

 だが、日韓戦の韓国人サポーターの例は、明らかにマイナスなイメージを世界中に植えつけてしまう行為だろう。

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