堂々のゲームメイク。守備でも奮闘
ボアテング、マイヤーが攻撃を仕掛け、隙を突いては、オスカル、アザールが鋭いカウンターを繰り出してくる。
そんな試合展開の中、内田は、高い位置を保って積極的に攻撃を仕掛けていた。何度も前線へと飛び出し、チェフの守るゴールを脅かした。ボールが回ってくれば、チェルシーを相手にしても、堂々とゲームメイクをした。
一瞬、内田が試合をコントロールしているのかと思えたほどだ。チェルシーを相手にしても、といったモノの見方はもう間違いなのかもしれない。
守備面では、前半にシュールレを、後半にはポジションチェンジをしたオスカルやアザールを相手にしても、じっくりと対処し、危機の芽を紡いでいった。
リベリーやネイマールを相手にしてきた内田の中には、スピードと技術を併せ持つアタッカーへの対処の仕方が身に染みているのだろう。
そして、カクテル光線で照らされた眩いピッチの中に、また内田の背中が見えた。その背は、トレーニングのときよりも一際大きく、毅然と佇んでいる。それでいながら、優しくて、柔らかくて、どこか人をホッとさせるものだった。
その背中を観ていて、ある出来事を思い出した。
【次ページ】ファンに後押しされた背中は一際大きく