2部で実現した日本人対決
10月6日、そんなローカルで活躍する日本人選手の「日本人対決」が実現したので、取材に行ってきた。筆者の暮らすクィーンズランドの州都ブリスベン郊外にあるQSACスタジアムは、82年開催の英連邦大会のメインスタジアムだったのだが、そのことは地元の人々にも忘れられてしまっているような寂れた印象がある。
そんな老朽化したスタジアムで開催されたのが、今季から始まった全豪各州のナショナル・プレミア・リーグ(NPL/実質2部相当)の覇者が争う「NPLファイナル・シリーズ」のセミ・ファイナル。
土曜日の夜にも関わらず、スタンドの入りは非常に寂しく、紆余曲折を経てから今季ようやく開催にこぎつけたNPLの注目度の低さなど、その前途の多難さが問わず語りに伝わってくる。
出場する地元ブリスベンのオリンピックFC(QLD州代表)と、シドニー・ユナイテッド58 FC(NSW州代表)の両クラブが、それぞれギリシャ系とクロアチア系のエスニック・クラブということもあり、スタンドには両コミュニティに所属する人々の姿が多く見られた。
これが、ローカル・サッカーシーンがブリスベンと比べようにならないくらいに熱いシドニーやメルボルンであれば、もう少し活気のあるスタジアムが見られたであろうことは付言しておかねばならない。
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