失われた経験するチャンス
プレナスなでしこリーグやプレナスチャレンジリーグといった各所属チームでのびのびとプレーし、活躍している選手たちの姿を見ている私としては、今回のアジアでの不甲斐ない戦いと4位という結果は、ショッキングなものだった。
17日の練習から現地での視察に訪れた、なでしこジャパンの佐々木則夫監督の目にも同じように映ったのではないかと思う。
その佐々木監督からの招集を受けて、DF三宅史織(JFAアカデミー福島/INAC神戸レオネッサ)、DF上野紗稀(ジェフ市原・千葉レディース)、FW田中美南(日テレ・ベレーザ)は、すでになでしこジャパンで試合に出場しているが、その貴重な経験を周囲に十分に伝えることができないまま、10日間の大会は終了した。
そして、世界への挑戦を許されなかった、この代償は大きい。約1年後のU-20女子W杯と、それまでに経験できるはずだった遠征や合宿がこれでなくなり、この世代は国際経験という面で空白の時間を過ごすことになった。
「最後まで得点を奪うことができなかったことが、最大の要因」と吉田監督が振り返った最終戦の北朝鮮戦は、90分間ボールを保持しながらも引いて守る相手を崩せず、スコアレスで引き分けた。この北朝鮮戦同様、第4戦・中国戦でも勝てば自力でのU-20女子W杯出場を決められたが、そこでも引き分け、最後の1点が遠かった大会だった。
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