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長友佑都 11年前

退場処分をめぐり箝口令が敷かれたインテル。なぜ長友はサイドで翻弄されたのか?

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

カバーリングが遅れた長友

 ここまでは、数的不利の割に良く対処をしていたのだが、長友は後半失点に絡んでしまった。ホームで勝利したいトリノは、後半4分に元イタリアU-21代表のインモービレを入れ3トップに変更。これが、更なるマッチアップのズレを生んでしまう。

 わずかに4分後、インテルの左サイドへボールが出る。するとそこには、システム変更で3トップの右へ流れたチェルチがフリーとなっていた。長友が慌てて付くも時すでに遅し。そこから突破で崩されると、最後はインモービレに決められてしまった。

 1点の重みが大きいサッカーでは、一つのミスが致命的になるのもDFの宿命。ただでさえセリエAでは最高峰のドリブラーであるチェルチを、スピードに乗らせた状態で止めろというのも難しい注文だが、体を当てて食い止めることもできたと言える。

 その後は周囲と連係を上手く取り、チェルチとダンブロージオの両方を上手く制限していただけに勿体なかったが、数的不利を考えればやはり不憫ではあった。

 幸いにも、故障者続出の関係でDFラインには本来MFの選手も回したトリノは守備が雑で、パラシオが2ゴールを上げインテルはなんと逆転する。最終的には直接FKで追いつかれるが、85分以上の数的不利を考えれば御の字のドローとなった。

 なお試合後、マッツァーリ監督以下長友を含む選手全員に箝口令が敷かれた。代わりに会見に登場したブランカ強化部長は「マッツァーリ監督は最初のハンダノビッチの退場から、様々なエピソードに対して怒っていた。試合中、同じようなファウルで相手が処分されなかったりなど、ジャッジにはすでに一貫性がなかった。改善を求める」と審判団を批判していた。

【了】

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