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日本代表 11年前

マンUでの不遇から代表でも不調に。“負のサイクル”に苦しむ香川にのしかかる大きな重圧

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

香川への大きなプレッシャー

 この悪循環が続けば、代表のポジションを失うことにもなりかねない。彼自身も強い危機感を抱いているに違いない。

 それでも日本の報道陣やサッカーファンは香川真司に注目し続ける。彼の記事がメディアに載らない日はないといっても過言ではないほどだ。日本サッカー界初のマンチェスター・ユナイテッド所属選手である彼への関心は極めて高い。この現象は香川にとっては少なからずプレッシャーだろう。

「(日本中に注目されることが重圧になっている?)いや、それは全くないです。日本で(自分の扱いが)どうなっているかは分からないですし、自分はサッカー選手としてこの現状を踏まえてしっかりやるだけなんで」と本人は平静を装ったようなコメントをしていたが、その心中は穏やかではないはずだ。

 イングランドの場合、選手とメディア・サポーターとの接触が限りなく少ない環境にあるためまだいいが、日本語しか話せない香川が日本国内の雑音を完全にシャットアウトするのは難しい。それを受け止めながら、いかに不振からの脱出を図るのか。

 ただ、逆に考えれば、キャリア最大の正念場は大きな飛躍への一歩を踏み出すチャンスにもなりえる。香川真司がかつてないタフさと粘り強さ、何事にも負けない強靭なメンタリティを身に着けた時、八方ふさがりのこの現状が変わるのかもしれない。とにかく今はブレずに自分のやるべきことを突き詰めるしかない。

【了】

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