人気減少。フランスサッカーの現実
つい先日の2014年W杯予選でもプレーオフにまわったフランスは、FIFAの国別ランキングの結果(21位)、シード圏を逃した。ポルトガル、ギリシャ、クロアチア、ウクライナの後塵を拝するというのは、15年前には世界、そして欧州の頂点に立っていたフランスとしては、堪え難い屈辱に違いない。
にもかかわらず国からのサポートもなく、さらにこれまでよりも厳しい税制を課せられるという事態に一部のクラブから不満が爆発、10月24日の週末に行われるリーグ1の11節と、リーグ2の12節をボイコットする、というストライキ案も浮上している。
しかし、ここでひとつ強調したいのは、「フランスは『サッカー大国』ではない」ということだ。
優遇措置を与えてまでも選手の給料を優遇しサッカー界を守りたい、という人よりも、高額所得者からはたとえサッカー選手だろうと一般市民と同様に税金をとれ、と思っているほうが格段に多いのだ。
結果いかんではW杯通過決定もなくはなかった10月16日のW杯予選最終戦、対フィンランド戦でさえ、「4枚セットで40ユーロ」という激安価格でチケットを叩き売らなくてはスタンドが埋まらない有様だった(ちなみに、同じスタッド・ド・フランスで11月上旬に行われるラグビーのフランス対ニュージーランド戦は、発売後間もなくソールドアウト)
サッカー大国でありたいというイリュージョンと、実際にはそれほど人気スポーツではない、という現実の狭間で懊悩するフランス。来月のW杯プレーオフの結果が、その先の方向性を示すひとつの指針になるかもしれない。
【了】
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