宮市はトップチームに片足をかけている
アーセナルと契約して、間もなく3年を迎えた宮市亮がイングランドで奮闘を続けている。
7日に行われたU21のリーグ戦では好プレーを見せた。後半の途中までは「プロになって初めて」という1トップで出場。早速前半にCKから味方が放ったシュートを至近距離から決めた。「あれだけ簡単なゴールは初めて」と相好を崩したプレーを見せると、本来の左サイドに回った後半には巧みなドリブルから決勝点につながるパスを出した。
90分を通しての出来は「ほかの選手とは格が違う」という印象だった。確かに相手は同年代が中心。トップチームのサッカーと比較するには無理がある。しかし、確かなのはほかの選手よりも上のレベルにあるということ。つまり、現在の宮市はユースレベルを完全に卒業し、アーセナルのトップチームへの片足をかけている。課題は次のステップを踏むことに成功できるのかということだ。
代表戦前の最後の試合になった6日のウェストブロミッジ(WBA)戦、宮市はベンチ入りしたが、出場機会は訪れなかった。今季の成績はリーグ杯で1度の先発、チャンピオンズリーグとリーグ戦で合計3試合の途中出場。
ベンゲル監督が若手選手登用の場と考えるリーグ杯の先発は当然としても、CLとリーグ戦での出場は他力本願。具体的にはチームの攻撃陣に負傷者が続出したからだ。チェンバレン、ウォルコット、カソルラ、ロシツキーらが立て続けに離脱。結果として宮市が押し出される形でベンチ入りすることになった。本人もその点については十分に理解している。
9月下旬のストーク戦でウォルコットのけがで急きょ出場した試合後には言った。「実際、ウォルコットがけがをしていなければ、僕は試合に出てなかった」。その後の試合の後でも同様の言葉が出てくる。「スタメンの選手と比べたときに『どうだ』と言われた時にまだまだだと思う」「『こいつがスタメンの代わりに出ている』と多分見られていると思う」。現状認識としては妥当なことである。