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香川真司 11年前

キャリアの正念場を迎えている香川真司。移籍の噂を吹き飛ばすことができるか?

text by 内藤秀明 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

パフォーマンスで移籍の噂を吹き飛ばして欲しい

 他のポジションに目を向けると、右サイドのアントニオ・バレンシアはスタメンから外れるかもしれない。南米予選のためにエクアドル代表としてアウェイでチリと対戦するため、長距離のフライトをこなしたからだ。また、1トップのロビン・ファンペルシーはオランダ代表として戦ったハンガリー戦で、怪我を押してプレーした。本来なら休ませたいところではあるが、好調サウサンプトンを相手にこのオランダ人スコアラーをスタメンから外すのは勇気が必要だろう。

 順当に選考すれば、サウサンプトン戦はウェイン・ルーニーとファンペルシーの2トップ、右にアシュリー・ヤング、左はナニという布陣になるはず。ただ、前述の理由でファンペルシーを後半途中で下げる可能性もある。その場合はウェルベックかチチャリートを投入するのが無難な選択だが、香川が出番を得る可能性もゼロではない。デイビッド・モイーズ監督は既存選手の兼ね合いで香川をウイング起用しているが、香川の最適なポジションはトップ下であることは認めている。状況次第では、トップ下での出場もあるだろう。

 サウサンプトンは、ハイライン&ハイプレスで前線からプレッシングをかけてくる傾向にある。時にプレッシャーの連動がずれてしまい守備の綻びが出る局面もあるが、守備的MFのビクター・ワニャマが身体能力の高さで帳尻を合わせている状態だ。

 もし香川が出場したならば、このワニャマの潰しには気をつけなければならない。一方で、ワニャマは技術的にはアラが目立つ選手なので、マンチェスターUにとってのボールの奪いどころにもなりうる。厳しくプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けて、その上で香川の「個の力」で得点まで持って行ければ理想的だ。

 香川のマンチェスターUでの状況が芳しくないこともあり、「今冬に移籍するのでは」といった見出しのニュースも出始めた。もちろん本人は否定しているが、現在の状況を考えればこうした記事が出てくるのも無理はない。とはいえ、ここをキャリアの正念場と思い踏ん張って、「赤い悪魔」の一員として活躍してほしい。悪いうわさは全て、ピッチの上のパフォーマンスで黙らせてほしいものだ。

【了】

提供:J SPORTS

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