サンフレッチェ広島が攻めの姿勢を貫いている。
先月、サンフレッチェ広島の小谷野薫社長の“緩い表情”をモチーフにしたキーホルダーやステッカー、いわゆる“こやのん”グッズが話題になった。
小谷野社長もクラブを通じて、
「選手やサポーターとともに我々フロントも一丸となって闘っている象徴がこの“こやのん”です」とコメント。
ゆるキャラである“こやのん”グッズは広島サポーターから熱烈な要望があって誕生したというが、クラブが見事期待に応えた形だ。
そして、この第一弾の好評ぶりを受け、息つく暇もなく第二弾が投入された。
今度は“こやのん”Tシャツの登場だ。綿100%、3,000円、販売数は200枚を用意するという。
実は、“こやのん”といじられまくっている小谷野社長は、東大出身の実業家。インテリ風など吹かせてもクラブ経営の足しに何にもならないと考えたのだろうか。
捨て身、攻めの姿勢。それこそがサポーターとの距離を縮め、その心を鷲つかみにするというもの。
小谷野社長と同じ東大出身のJクラブ社長といえば、ファジアーノ岡山の木村正明社長が有名だが、木村社長もホームゲーム時には足を棒のようにして歩き回り、会場の設営から会場案内など、サポーターやスタッフらが目に見える形での努力を疎かにしない。それを営業戦略の一つと捉えているようだ。
サガン鳥栖の竹原稔社長は以前、ハーフタイムにゴール裏サポーターに声をかけ、そのままの流れで後半なんと声出しにまで参加した過去があると聞く。
水戸ホーリーホックの沼田邦郎社長も姿勢はお客様第一。ホームゲーム時の愚直な働きぶりはもとより、普段から地域を足を棒のようにして歩きまわり、「ちょっとうちに寄って話していきなよ」と地元住民に声をかけてもらえる関係を構築できている。
資金が潤沢なJクラブの社長ならまだしも、そうではないクラブの社長ならば、“顔を出す”ことはとても大事だ。
“こやのん”グッズのように、今後もJクラブ社長がクラブ経営のキーファクターになることは間違いないだろう。
【了】
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