「アジアカップで優勝したときのようなサッカーをW杯でやろうとは思わない」
とはいえ、チームがこれまで3年間にはなかった停滞感を示しているのは間違いない。6月のコンフェデレーションズカップでの3連敗以降、日本代表はなぜ迷走を続けるのか。本田は「新しいものを構築しようとしているからだ」と強調する。
「ワールドカップ用にさらに大きなものを披露しようとして、今はそれを組み立てている段階。新たなトライをしていることで、前と同じようにやれば得点もできたかもしれない場面でもうまくいかずに、以前のよさが出ていない。
そのへんのチグハグさは若干あると思います。でも選手も監督もそこは悲観していない。アジアカップで優勝したときのようなサッカーをワールドカップでやろうとは思わないし、一歩も二歩も先に行くためにシミュレーションしながら戦っている。そこは非常にポジティブだと思っています」と彼は語る。
本田の言う『新たなトライ』とは、コンフェデやウルグアイ戦で実感した世界との力の差を埋めるための攻守の切り替えの迅速化、連動性の向上、個の力の引き上げなどを意味すると見られる。
が、少なくとも今回の2連戦ではその意図がピッチ上で明確に表現されていなかった。結果が出ないチームに対して、選手たちからさまざまな意見が出るのは当然のこと。この10月2連戦の合宿ではそういう話し合いが活発に行われたのが大きな収穫だったようだ。