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日本代表 11年前

危機感を抱きながら前を向く本田圭佑「失点は不運。よかったところもあるし、悲観する必要はない」

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「90分間、自分たちのサッカーを貫いたのが1つの進歩」

 しかし、結局のところその努力は実らず、15日のベラルーシ戦でも相手のミドルシュート一発に沈んだ。攻撃の大黒柱である本田圭佑も中盤で起点を作り、献身的なチャンスメークを見せたが、2試合連続ノーゴール。

 後半には長谷部誠のパスを受け、左に流れて前へ出ようとしたところでDF数人に止められ、右手の拳をピッチに叩きつけて悔しさと苛立ちを激しく表現した。2戦連続無得点完敗という結果に彼の危機感をかつてないほど強めたのは間違いない。

 それでも試合後のミックスゾーンに現れた本田はショックを隠すように平静を装い、懸命に2連敗を前向きに捉えようとしていた。

「勝てないということがある意味、収穫だったのかなと。日本でガーナに勝ったみたいに、セルビアとベラルーシにホームで勝っていてもあまり意味がなかったと思うんで。アウェーで勝つことで日本はステップアップしないといけなかったんですけど、それができなかったのは残念。

 それも実力ではあるんで、しっかり受け止めて、どうしてアウェーだと結果が出ないのか、自分たちが悪いのか相手がいいのかを考えないと。メンタル面が自分たちのプレーに影響している部分が多少なりともあると思う。日頃のリーグ戦を結果にこだわって真剣にプレーすることで、僕らのレベルも向上していくと思いますね。

 自分たちの方向性は間違っていない。サッカーは決める決めないでどうしても勝敗が決まってしまう。失点して負けると守備が問題と言われるし、0得点で勝てないと決定力がないという話になる。

 非常にシンプルなスポーツではあるんですけど、そこに至るまでにいろんな細かい部分がある。ただ僕は、セルビアに対してもベラルーシに対しても、90分間、自分たちのサッカーを貫いたのが1つの進歩だと思う。ここでみなさんに叩かれて、僕たちがブレるようなことがあれば、それが一番ダメなことだと思います」と本田は自分に言い聞かせるように淡々と喋った。

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