解決されていない香川の「穴」
今回の2試合で香川が本調子でないのは明らかだった。こうなったときに中央へ動く香川の守備面の「穴」が問題になる。後半の立ち上がり、香川が中央でボールを失った後に左サイドで1対2の状況を作られてシュートを打たれた。
香川が中央へ動くのは攻撃面ではメリットになるが、守備のときはそこが空いてしまう。それをどう埋めるかが、いまだに解決されているようには見えない。
香川も不調を自覚しているのなら、あまりに早くから中央へ絞るのは避けるべきだったのではないか。長友が押し上げてきて、左に人数が揃うまではサイドに留まったほうが穴は空きにくかったはずだ。
この連敗では攻撃のキーマンである香川の不調が響いた。エースが不調ならチームに影響が出るのは避けられない。復調を期待したいが、ザッケローニ監督は香川を長い時間起用しすぎた。 勝負という点では、もっと早く見切りをつけたほうがよかったと思う。
後半の早い時間から3-4-3に切り替えたものの、いつもながらあまり効果は出なかった。このシステムで生きる長友が負傷したのも痛かった。ただ、柿谷と交代で入った森重は良いプレーをしていたし、長谷部と交代した山口も良かった。良い点を探すのが難しい試合で、良かったのはこの2人がプレーぶりぐらいだろうか。
11月に予定されているオランダ戦は、今回の2試合とは性質の違う試合になる。課題はコンフェデレーションズカップで積み残した守備であり、いかにボールを奪うかだ。欧州中堅国に勝ちきるというベスト16進出のためのテストに失敗したばかりだが、強豪国に「負けない」というテストが迫っている。
【了】
関連リンク
ベラルーシに敗戦。未だオプションにならない3-4-3、力不足の柿谷には追試が必要【どこよりも早い採点】
仲間を信頼する内田篤人「日本には柿谷がいる。絶対やってくれる。結果が出ればチームも変わる」
攻撃停滞の要因はクロスの質にあり。アジアを超えた戦いでザックジャパンに求められること
本田圭佑と香川真司 日本代表の核となる二つの個性