攻め直しを「攻め直した」要因は?
今回の2試合のように、日本がある程度ボールを握れる相手の守備はおよそ2種類しかない。セルビアのように引いて守備を固めるか、ベラルーシのように中盤を圧縮して前から守るか。改めて記すまでもない常識の範囲だろう。ベラルーシのような相手との対戦経験が比較的少なかったとはいえ、日本の対応力には疑問が残った。
試合の入り方に疑問はあるものの、日本は何とかボールをキープして攻め込むこともできている。途中から本田が引いてきて後方で数的有利を作り、そこからプレスをずらしていこうという意図もみえた(横浜F・マリノスで中村俊輔が常套手段としているアレだ)。
しかし、少しでもボールを下げるたびに ベラルーシはラインをマメに上げてスペースを消してくる。キープしても前へ運びにくい状況に大きな変化はなかった。攻め直しの起点になる吉田、今野から縦へ有効なパスが通らない。
攻め直しが、さらに攻め直しになるケースが多かった。この点はセルビア戦と同じで、後方で起点になれる選手が遠藤だけでは苦しい。
通常より低い位置へ受けにきた本田、香川がボールを失ってカウンターを食らうなど、相手の狙いどおりの流れになっていた。失点はやや不運だったが、4本連続してハイクロスを放り込まれた末であり、引いて守るときの耐性の低さを改めて露呈した。
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