必要になってくる縦へのクロス
ただ、そうしたクロスを持ってしても、欧州ベースの堅固な守備をクロスで打ち破ることは容易ではないだろう。ゾーンのブロックを形成する相手には一度下げてから、素早く縦に持ち出してクロスを上げ、そこにアタッカーが飛び込んで行く様な“縦の揺さぶり”が有効だ。しかし、そうしたチャンスメークがセルビア戦ではなかなか見られなかった。
縦に積極的なパスを通そうとする基本姿勢は悪くない。しかし、それ一辺倒になっては相手も読みやすく、ましてやワールドクラスのDFとなれば、シンプルに来てくれれば来てくれるほど、彼らの能力を発揮しやすいのだ。
その意味でも、縦志向のパスをベースとしながら、意図的なバックパスから再び素早く縦に入れるなど、縦にアクセントを付けて行くことが、クロスの危険度を上げるために非常に有効となる。
縦に揺さぶるパスワークからの、線をイメージして出した速く低いクロスに受け手が走りながら合わせる。現在の日本代表ならば、技術的にそんなに難しいことではないはず。攻撃にはバリエーションが必要で、クロスにしても色々な形を用意するべきだが、アジアを超えたところの戦い方をチームで明確に共有することが、強国の守備を攻略するカギになるはず。
ベラルーシは欧州トップリーグで活躍するビッグネームこそいないが、欧州予選の最終戦でスペインを苦しめるなど、特にスコアレス時の守備の固さには強豪国も手を焼いている。
まともなクロスに対しては屈強なセンターバックが跳ね返しにくるが、そうした守備を揺さぶり、隙間を突くクロスをトライしていけば、得点チャンスが拡大するとともに、先に向けたビジョンもより開けてくるはずだ。
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