国旗左端にある装飾模様の意味
国旗の左端には、独特の装飾模様が施されている。これは「ルシュニック」と呼ばれる伝統模様で、民族衣装にも用いられる。ちょっと前の代表ユニフォームの肩にもデザインされていた。
もともとは土着の宗教やまじないからきたもので、子供が生まれると赤い糸で刺繍された帯状の白いクロスを贈るという習慣があった。その場合、赤は生命力を表しているという。
模様には一つひとつ意味があり、太陽や水、風や土など、アニミズム的な要素が強い。健康や繁栄、悪いものから身を守るお守りといったところだ。
赤ちゃんの誕生から、結婚式、葬式まで、一人に一本の帯が与えられる。今はお土産の定番といったほうがいい。ベラルーシ旅行に行った人の家に行くと、テーブルクロスになっていたりする。
ベラルーシ共和国国歌は、『我等、ベラルーシ人』といって、白ロシア・ソビエト社会主義共和国時代の国歌として20世紀の半ばからある。メロディーはそのまま残し、現在の詞になったのは2002年から。アレクサンドル・ルカシェンコ大統領によって公募され決定された。
それまでの詞には「レーニンは我らを導く」といった内容が含まれており、時代に合わせたものに書き換えられたわけだ。
出だしのジャーンというブラス・ファンファーレは、ロシア国歌の影響を多分に受けている証だろう。
『我等、ベラルーシ人』
我らベラルーシ人、平和の民
我らが心は、この地にあり
寛容なる友愛の心を持ち続け
勤勉な力を持つ、自由な仲間
輝ける我らの地に栄光あれ
我らの団結に栄光あれ
母なる大地を愛せよ
永久に栄えあれ、ベラルーシよ
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