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もう一つの“ゴールデンエイジ”における問題点から検証。なぜ日本で優秀なGKが育たないのか?

text by 舩木渉 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Asuka Kudo / Footballchannel , Kenzaburo Matsuoka

海外ではあり得ないGKを“嫌がる”傾向

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欧州でのGKは「花形」のポジション【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 日本の指導者養成プログラムの中で、小学生の段階ではチームの全員にGKを経験させ、GKもGK以外の選手と同じトレーニングを中心に行うべきとされている。私はこの考えに賛成ではない。まずこう書かれた原因を分析してみたい。

 では、小学生時代にGKをやってくれていた子のことをよく思い出してみてほしい。そもそも「やってくれていた」と書いていること自体が本来ならおかしいのだが、実際にそういう感覚だったのではないだろうか。

 基本的にGKをやりたがる人はおらずそしてGKをやるのは決まってその中でサッカーが一番下手な子という具合だろう。現在の指導者養成プログラムの方針はこの事象が根本にあるのではないだろうか。

 先のような現象は、海外ではあまり見られないらしい。GKは身体能力が高く、チームで一番サッカーがうまい子がやるもの、そしてユニフォームも周りと違うものを着られるなど様々な要素から花形のような認識のようだ。

 また、GKの能力は天賦の才能であり、幼少期から専門のGKコーチがついて技術を磨くところもある。イタリアやドイツなどのGK大国では日本のように砂のサッカーグラウンドは少なく、“ゴールデンエイジ”にあたる10~12歳頃にはもちろんGK専門のトレーニングを積んでいるため技術の習得もより深まり、結果的に完成度の高いGKが育つという仕組みである。

 対して日本の小学生は皆GKをやりたがらず、やむなくチーム全員でGKを回しながらこなしていくため専門技術は高まっていかない。

 GKを固定できたとしても、硬い砂のグラウンドで横飛びやスライディングは痛いからなかなか上手くならない。そしてGK専門の指導者があまりにも少なく適切な指導を受けられない。極端な話のように聞こえるが、実際に起こりうる話である。

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