砂のグラウンドの何が問題なのか
また、もう一つ大きな問題がある。それは砂もしくは石のグラウンドの多さである。天然芝や人工芝は維持費用がかかるため敬遠されがちだが、これこそが子供たちの成長を妨げる最大の要因と言ってもよいだろう。
砂のグラウンドではミスをしたりして転んだ場合必ずケガをしてしまい、間違いなく痛い。当然子供たちは痛いのは嫌いであるから転倒を避けたいと考える。それによって新しいことへの積極性と失敗を恐れてしまうのである。
加えて自分が上手くなるためのチャレンジだけでなく、練習中や試合中に強く相手に当たっていかなければならない場面も当然出てくる。そういった場面でも砂のグラウンドであればケガを恐れて思いきり相手にぶつかっていけなくなる子供の頃に経験したこういった事実はその選手が大人になってからのプレー強度に少なからず影響するのではないか。
このような環境では、子供たち自身が選手としての成長を止めているのではなく、本来子供たちの能力を最大限に伸ばしてあげるはずの大人たちの努力不足で日本サッカーの成長が止まってしまうということである。
我々大人は子供たちの未来を背負っていることを忘れてはならない。そして優れた環境の下、すべての子供たちが同じだけ試合を通した経験を積める仕組み作りが急務である。
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