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もう一つの“ゴールデンエイジ”における問題点から検証。なぜ日本で優秀なGKが育たないのか?

text by 舩木渉 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography , Asuka Kudo / Footballchannel , Kenzaburo Matsuoka

もう一つの“ゴールデンエイジ”とは

 今回紹介する“ゴールデンエイジ”は「黄金年齢」の意味が最も近い。その年齢とはだいたい10~12歳頃を指す。この年代の子供たちの筋力などは未発達ながら、新しく教えられたものをすぐに自分のものにできるというこの年代にしかない能力を持っている。

 まさに10~12歳頃どのようなトレーニングをするかによってその後の選手としての成長を左右すると言っても過言ではないだろう。

 ここまで書いてきた知識はJFAの公認D級コーチングライセンス向けの指導教本に載っている知識である。よって小学生年代を指導する指導者は必ず知っているはずだ。では、指導現場における諸問題とは何だろうか。

 実際に小学生に指導している指導者が指導の最も難しい点として「小学1~6年生が一緒に練習しなければいけないこと、やる気の有無、新しいことがすぐにできてしまう子とできない子がいること」を挙げていた。実はこの問題はもう一つの課題と密接につながっている。それは指導者不足という課題である。

 たとえば、人数の多いチームに対して数人の大人がいるだけで全体に目が行き届くようになり、学年などのカテゴリである程度チームを分けて、それぞれに合った指導を展開することもできる。ただ、これだけでは単純に大人の人数を増やしただけであって、指導者を増やしたことにはならない。

 現在、各都道府県のサッカー協会を中心に指導者養成講習会が盛んに開催されている。もしも日本のサッカーを本気でレベルアップさせようとするならば、小学生にサッカーの指導をするだけでも、それにかかわるすべての指導者がこれらの講習会へ参加し、適切な指導法を少しでも学んだ状態で子供たちの指導に臨まなければ、本当に子供たちの未来のためにはならないのではないか。

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