戦力的に厳しい中、奮闘していた大分
10月5日、大分はホーム大分銀行ドームにてC大阪に敗れ、わずか1勝、まだ2カ月近くのリーグ戦期間を残すうちに、J2降格が決まってしまった。
大分が絶望的に弱かったかと言えば、実際にはそうした印象は乏しい。夏を超えて落ちてしまった部分はあったと思うが、それまでは拮抗したゲームのほうが多数派だった。勇将・田坂和昭監督に率いられた若きイレブンが「戦っていなかった」とは言えまい。
では、なぜ落ちたのかと言われると、残酷な話になってしまうが、結局は「お金が足りなかった」ということになる。多大な債務を抱えるクラブに財政的余力は乏しく、J2を戦っていた昨季より戦力がトータルで「+」になっていかも怪しいところ。
この20年でJ1のリーグは“平均値”は本当に高く、そして拮抗するようになった。大分がその平均値を大きく下回る戦力、恐らくJ2でも上のほうとは言い難い戦力だった時点で、極めて難しい戦いを強いられるのは容易に想像できた。
それでも序盤戦でもう少しの幸運があれば、大分が残留していた可能性もあったとは思う。ただ、その可能性が限りなく低かったのは、残念ながら事実だろう。
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