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日本代表 11年前

徹底出来ていないスタイル。ザック、代表選手たちが語る「自分たちのサッカー」とは何か?

text by 北健一郎 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

セルビア戦で足りなかったこととは?

 この言葉と照らし合わせたとき、セルビア戦で最も問題だったのはゴールを決められなかったことでも、無失点に抑えられなかったことでもない。「高い位置からボールを奪う」というチームコンセプトがほとんど実現できていなかったことだ。

 この試合、日本のプレスラインは低くはなかった。相手がセンターバックからパスを回そうとしたところに、1トップがファーストDFになってサイドに追い込み、サイドハーフ、ボランチ、サイドバックが連携して奪いに行く。これがザックジャパンの基本コンセプトである。

 ただ、気になったのは日本の選手の「ボールを奪いに行く」というアクションを起こす回数の少なさだ。ボールを持った選手に寄せてはいるものの、距離感が遠く、簡単に蹴らせてしまう。

 ディフェンスの本来の目的とは何か。言うまでもない、ボールを奪うということだ。だが、今の日本の選手から本気でボールを奪いに行くという気持ちが感じられる選手はほとんどいない。

 とりあえずコースを限定しておけば、誰かがボールをとってくれるだろう??―。そんな気持ちで寄せてくる選手のプレスを、果たして相手は脅威に感じるだろうか。バルセロナやドルトムントといった世界トップの選手は、ボールを持った選手に襲いかかるぐらいの気持ちで寄せていく。この点で日本と世界には大きな開きがある。

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