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連載コラム 11年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第5回 目指す方向性が一つになった時、チームは劇的に変わっていく

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

5月5日 On the pitch 第5節 大成シティFC坂戸戦

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【写真:©VONDS市原】

 5月5日大成シティ坂戸戦(アウェイ)。

 午前中の試合でGW中ということもあり、関東リーグでは唯一の前泊を決断した。正直、お財布事情は決して余裕はなかったので少し迷ったが、以前の運営面の反省を活かし、また選手時代の自分の感覚を重視して経営より現場に重きを置いた判断をした。

 試合会場は率直に言って、今季もっともグラウンド状態が良くない中での試合となった。パスをつなぐことを重視する自分達としては非常にやりづらいピッチであった。ウォーミングアップでボールの転がり具合を見ながら、これはきれいに最後までやりきるのは難しいかなと考えていた。

 幸いにもこの試合には190cmの竹谷と、180cmの岩田がサブにいたので、ゲームのシナリオはパワープレーを含めいくつかのパターンをイメージしていた。案の定いいところまではいくが、最後がやりきれない展開が続く。そのうち危ないシーンも作られながら、後半の15分を過ぎたところで、竹谷、岩田と交代カードを切っていった。

 最後まで崩し切ることをあきらめ、ターゲット目掛けて放り込む展開を意図的に作り、こぼれ球を拾うサッカーに切り替える。するとこれが功を奏し、その展開から山根のゴールが生まれる。試合はそのまま終わり、ホッと一息。

 敗戦後の悪い空気を変えることのむずかしさを実感しながらも試合後はまずは勝利できた安堵感に浸っていた。

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