広く集める寄附金によって新スタジアムを建設するガンバ大阪。今秋、募金額がほぼ目標額に達したことでスタジアムの年内着工が決まった。4万人収容のサッカー専用スタジアムは2015年秋の竣工を予定する。
スタジアム建設に要する工費は140億円ほどで、そのうち30億円はtotoの助成金によって賄われる。
これまでtotoはスポーツ分野での様々な助成活動を行ってきたが、スタジアムの改修事例に対してならともかく、新設されるスタジアムに助成するケースはなかった。それもそのはずで、新築に対する規約がなかったから。
今回ガンバ大阪からの申し入れによってtotoは英断したのだ。
ガンバ大阪は税金に頼らず寄附金によってサッカー専用スタジアムを建設しようとしている。しかもそれは関西随一となる4万人収容のサッカー専用スタジアムなのだ。その心意気、買ってやる! と。
ガンバの申し入れに対してすぐさま助成に関わる規約を改定し、今夏30億円を拠出。ガンバ大阪の新スタジアム構想に強力な援護射撃を果たしたのだ。
ちなみに、工費140億円のうち90億円近くは法人などから集める予定だが、ガンバ大阪は今後広く法人営業を展開していく。
スタジアム建設の寄附金の募集はもとより、着工が決まった今秋からは、新スタジアム内の看板スポンサー、4階VIPルームの販売なども併せて行う予定だ。
このVIPルームは新スタジアムの目玉商品の一つで、ホーム側ゴール裏を除いて4階の法人向けに相当数用意される。
VIPルーム内で法人同士の商談などを行ってもらい、その後の試合観戦はVIPルーム前のバルコニーシートで。
欧州ではスタンダードな光景だが、Jリーグではまだまだ物珍しい。そんな取り組みを、ガンバ大阪が新スタジアムで先んじて展開していく。
詳しくは、本サイト編集部が編集する『サッカー批評64号』、および、10月21日発売予定の『フットボールサミット第15回「攻め勝つ」ガンバ大阪の流儀』を参照されたい。
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