ミハイロヴィッチ監督の下で代表は大混乱
「セルビア史上最悪の代表監督」――そんなレッテルがシニーシャ・ミハイロヴィッチ監督に貼られている。強烈なFKを武器にセリエで活躍した彼は、インテルでマンチーニのアシスタントコーチを務めたのち、ボローニャ、カターニャ、フィオレンティーナを指揮。
そんな彼が昨年5月にセルビア・サッカー協会会長トミスラフ・カラジッチの後ろ楯で代表監督に就任し、セルビア代表の名誉と威信を高めようと躍起になった。しかし、前年に代表引退を表明したDFネマニャ・ビディッチ(マンチェスター・ユナイテッド)の説得に失敗。
セルビア国歌斉唱を拒んだムスリム人のアダム・リャイッチ(ローマ)を規律違反で追放し、起用面を巡って対立したMFネマニャ・マティッチ(ベンフィカ・リスボン)も早くに去った。ミハイロヴィッチ監督のイタリア流儀とバルカン気質がチームに大きな混乱をもたらしたのだ。
曰くつきのマケドニア国籍アルバニア系代理人ファリ・ラマダニとの癒着関係を問われながらも、世代交代を掲げた彼は若手を次々招集。しかし、システムもスタメンも固定できないチームは迷走を極めた。
彼が率いた16試合で47人もの選手が招集され、戦績はお粗末な5勝3分8敗。W杯予選は序盤からベルギーとクロアチアに引き離され、先月には敗退が決定した。不満を募らせたメディアやサポーターは、ミハイロヴィッチ監督とカラジッチ会長の両者退陣を強く訴えている状況だ。
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