高い能力を持つ遠藤だが…
日本代表のボランチには遠藤保仁がいる。彼の攻撃ビジョンとパスセンスは日本において他者の追随を許さないが、ザッケローニ監督の目指す流動的なスタイル、また本田圭佑がウルグアイ戦後に語っていた、守備から攻撃に移るビルドアップの精度とスピード感を高める意味で、長谷部と細貝のコンビがテストされる可能性も十分にあるだろう。
遠藤のゲームメイク無しに日本代表の攻撃が成り立つイメージは描きにくかった。しかし、長谷部がボランチでの実戦感覚を取り戻し、細貝がヘルタ・ベルリンで攻撃にも主体性を示している。
J2の栃木戦で左足首を痛めた遠藤は代表合宿の初日を休養した。症状はそれほど深刻ではない様だが、この機会に長谷部と細貝のコンビをテストしてみるのも有効だろう。
これまで試合の終盤や[3-4-3]の採用時に限られたセットだが、細貝の働き次第では中盤のボール奪取力を引き上げ、かつ攻撃にダイナミズムを生み出すはず。
「自分はどちらかと言えばハセさん(長谷部)と重なる」と細貝は語っていたが、ヘルタ・ベルリンでは元センターバックのルステンベルガーとの組み合わせもはまっており、パスワークの軸となることにも大きな不安は無いはず。アンダー世代からの同期でもある本田との相性の良さも魅力だ。
ボランチではセレッソ大阪の山口螢も攻守に高いポテンシャルを備えており、彼を絡めた新たな組み合わせも期待される。ザッケローニ監督が“チームの心臓”と表現するこのポジションが高いレベルで活性化するほど日本代表の攻守のベースが引き上げられることは間違いない。
それだけに今季の序盤戦において、ブンデスリーガ所属の2人が本職のボランチで出場を続けて東欧遠征に合流してきたメリットは非常に大きいのだ。
【了】
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