チームは不調だが連動面では向上も
日本代表キャプテンの長谷部誠もここ1、2年の中では良い状態で東欧遠征を迎えている。ヴォルフスブルクでは一時、ベンチからも外れるなど出場機会を失い、今年の1月から指揮をとったヘッキンク監督のもとでは一定の信頼を得たものの、ポジションはサイドバックやウィングだった。
日本代表と同じボランチを望む長谷部は09年にマイスターシャーレを掲げるなど、6シーズンを過ごしてきた愛着のあるクラブに別れを告げ、ニュルンベルクに加入した。3節のマインツ戦で終盤に出場した長谷部はそこから4試合続けてフル出場。
ダイヤモンド型のアンカーという新たなポジションも経験しながら、清武はもちろん周囲の選手たちと良い連動を見せる場面が増えていた。
しかし、勝利という結果が出ないまま迎えた第7節で現在下位のハンブルガーSVにホームで0-5の惨敗。局面で中盤のフィルターになりきれなかった長谷部にも責任の一端はあるが、内容で圧倒されていた訳ではないだけに悔しい惨敗となった。
これで加入時から長谷部を高く買っていたヴィージンガー監督の解任が決定。代表戦の後は新たな指揮官のもとで競争がリスタートになるが、精神的支柱でもある長谷部が良好なコンディションで合流できることは日本代表のチームにとって非常に大きい。
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