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飛躍を続ける酒井宏樹。“荒々しい”サイドバックが見せる“攻撃的な守備”とは?

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

細貝が酒井から受ける刺激

 ゲームは23分にシュルツが決めハノーファーが先制したが、その後81分にベルリンのロニーが豪快に直接FKを突き刺し、1-1のドローで終わった。

 激闘のあと、細貝は酒井についてこう述べた。

「もう数多く試合に出ているので、今後、彼の良いところもどんどん出てくるだろうし、このチームの勢いのいい中で、ずっと試合に出続けているところは素晴らしいことだと思うし、彼から学ぶことも凄く多いな、と思います。彼が頑張っているのを見ると、僕も頑張っていかなきゃいけない、と思いますね」

 話ぶりからは、細貝も酒井からいたく刺激を受けているようだった。2シーズン目となるドイツの地で、酒井は、一歩一歩、その魅力を発揮しつつある。

 もちろんポジションは確保されている訳ではない。チェルンドロは順調に回復し、ボールを使った練習を再開している。しかし「僕みたいなタイプの選手は、ポジションが確保されていると逆にいいプレーは出来ない」とかつて語った酒井は、その競争状態の中、湖のほとりにある静かな練習場で溌剌とプレーしているに違いない。

 後に振り返ったときに、ブンデスリーガ13-14シーズンは、酒井にとって飛躍のシーズンとして記憶されるのかもしれない。

 次節、第9節には、欧州屈指の強豪ボルシア・ドルトムントとのアウェーゲームに臨む。簡単なことではないが、ドルトムントとの一戦でその魅力を十二分に発揮出来たなら、酒井は、またひとつ階段を駆け上がることになるだろう。

【了】

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