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飛躍を続ける酒井宏樹。“荒々しい”サイドバックが見せる“攻撃的な守備”とは?

ドイツへ移籍当初はなかなか出場機会に恵まれず苦しんだ酒井宏樹だが、今季はここまでフル出場。ライバルの怪我もあったが、チャンスを掴んでいる。飛躍を続ける彼の魅力とは何か?

text by 本田千尋 photo by Ryota Harada

酒井宏樹のストロングポイントとは何か?

酒井宏樹
酒井宏樹は開幕当初より右サイドバックの選手として先発出場を続けている【写真:原田亮太】

 酒井宏樹にとって、飛躍のシーズンが始まっているのかもしれない。

 ブンデスリーガ13-14シーズンの第7節を終えた時点で、所属するハノーファー96が4勝3敗の4位と好調を維持する中、酒井は開幕当初より右サイドバックの選手として先発出場を続けている。

 昨シーズンはもとより、以前からチームの顔でもあった右サイドバックのレギュラー、アメリカ代表スティーブ・チェルンドロが長期に渡り離脱していたとは言え、これまで単に先発するに留まらず、全ての試合で90分間フル出場を果たしている。

 そして第8節、ハノーファーはホームのHDIアレーナに、細貝萌の所属するヘルタ・ベルリンを迎え撃った。週の終わりの金曜日、日常の空気から解放されたファンがスタンドを埋め尽くす中、夜に浮かぶアレーナには、酒井がスターティングメンバーに名を連ねていた。もちろんポジションは右サイドバック、である。

 酒井の魅力とは何だろうか。185センチという長身から来る恵まれた体躯がもたらす迫力や、倒されたとしても直ぐに立ち上がりまた相手に向かっていく姿勢、大きな身振り手振りで味方を鼓舞する叫び等、様々な姿を彷彿とさせるが、何よりの魅力は前線へと駆け上がり、力強くクロスボールを打ち込む際に産まれるある種のダイナミズム、とは言えないだろうか。

 酒井自身、「常に、攻撃的な守備もしたいし、攻撃的な攻撃もしたい」と語っているように、攻撃性がストロングポイントであることは間違いない。ディフェンスでも、相手にハードに、戦いに行く。

 ボールを持ち、強く味方にパスを入れる。そして右サイドの深く、果敢に切れ込み、ペナルティエリアの中の味方にボールの行方を託す――。

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