守備的なホン・ミョンボ監督のスタイル
しかし、そんな世論の中でホン・ミョンボ監督は今回、就任後初めてキ・ソンヨンを韓国代表に招集した。しかも事あるごとに「誠意ある謝罪をするべき」と語り、問題の沈静化に積極的な姿勢を示すほど。抱えている問題が大きいにも関わらず、なぜホン・ミョンボ監督は、キ・ソンヨンの招集に踏み切ったのだろうか。
そのワケを探るべく、韓国のサッカー専門誌『Four Four Two』の編集デスクであるホン・ジェミン氏を直撃した。
「ホン・ミョンボ監督が目指すサッカーに、彼の存在が必要不可欠だからでしょう。ホン・ミョンボ監督のサッカーは、ボールキープ率を重視するが、その位置はとても低い。低い位置で時間をかけてから前に出ていくスタイルで、とても守備的です。
そんな“安全第一”のビルドアップの際に、精度の高いパスを送ることができるミッドフィルダーが必要となる。その適役がキ・ソンヨンと言えると思います」
韓国代表はホン・ミョンボ監督就任後の6試合、手放しで褒められるような結果を出せていない。ホン・ミョンボ監督自身、9月30日の招集メンバー発表時に、「ミッドフィルダーに不十分な部分があったことも事実だ」と明かしていた。これまでの6戦を通じて、特にボランチの必要性を感じているのかもしれない。
さらにホン氏は、「今の韓国代表に必要なのは精度の高いキッカー」と続ける。
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