フットボールチャンネル

長友佑都 11年前

完璧に封じられたローマ戦。長友がインテルで“規格外”になるために必要なこと

text by 神尾光臣 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

足りなかった局面を打開するプレー

 ただその際、長友自身も決して良いプレーはしていなかったのが残念だ。後半、4-4-2に修正されサイドに人数が集まってからは多少前に行けるようになったが、その時にミスが多かった。

 6分には判断に迷った末に囲まれた末、ジェルビーニョにボールを奪われてカウンターを許す。その3分後、右のオープンスペースで仕掛けたら逆にボールを失い、終盤には2度に渡ってクロスを失敗した。

 中央からの展開が出来ない中、正確な縦パスを放って展開を動かすなど、全体に気を配ったプレーは出来ていた。だが、勝負の上で重要となるのは局面を打開するプレーだ。

 前節のカリアリ戦後長友は、「(チームの)2点目に絡める仕事が出来れば良かった。アシストをしたっていう部分よりも、そこを追求して行きたい」と語っていたが、まさにこういった場面でこそマークを引き剥がす突破、密集地を厭わないパス、得点に直結するクロスやシュートといったチャレンジが要求されるものだ。

『規格外』という言葉を冒頭に出させてもらったが、ビッグクラブに所属する選手はどこかしら『規格外』であることを求められている。今季、長友は今まで以上にインテルで重要な存在となっている。

 だが、さらなる高みを見据えるにおいて必要なのはそういった部分の成長だ。この日ドーピング検査のためコメント取材は出来なかったが、本人はきっと高い意識を持って、プレーの改善に取り組んでくれるに違いない。

【了】

関連リンク

進化を続ける長友佑都。なぜ右サイドでも得意の左と変わらぬプレーが出来るのか?
フィオレンティーナに警戒されていた長友。“攻撃へのスイッチ”はいつ入ったのか?
欧州サッカー批評ISSUE08
長友の移籍戦略に見るFC東京の先進性

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!