ことごとく攻撃の手を封じられた長友
ジョナタンの故障により、長友は前節同様に右のウイングバックで出場した。開幕から一貫して左サイドで起用されていた彼だったが、右に回されても流麗な連係を見せて右アシスト。ところがローマ戦では、ことごとくそのメカニズムが切られたのだ。
パスを周囲に預け、そこからリターンを狙って素早くスペースへと動くのが長友の攻撃パターン。しかし右インサイドのグアリンも、またサイドに流れて来るアルバレスやパラシオも、あっという間にプレスで囲まれてしまう。
サイドに張って幅を取ろうとしても、後方からパスがきちっと出て来ない。猛烈なプレッシャーが3バックには掛かるからだ。スピードと運動量のあるジェルビーニョやフロレンツィはもとより、37歳のトッティまでもが激しくラノッキアらを追い回し、パニックをもたらしていた。
そうなれば、長友は縦に仕掛ける他はない。実際そのチャンスは幾らかあったのだが、これもまた難しかった。彼がボールを持った際、ジェルビーニョかフロレンツィが必ずサイドのサポートに入り、1対1になることはまずなかったのである。
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