Jで笛を吹く審判はエリート
「審判のレベルは上がっているのか?」
編集部からいただいたテーマはシンプルなものだった。これに関する回答に迷いはない。「Yes」である。「Jリーグ発足後の日本のサッカーにおいて唯一進歩していない部分」なんてことを主張するJクラブの監督もいるが(氏のことは尊敬しているものの)、同意しかねる。
育成年代から国際試合まで観ている立場から言わせてもらえば、日本全体で審判のクオリティーが向上しているのは間違いない。
「では、なんで誤審がなくならないんだ!?」という声もあるだろう。たいへん言いにくいことだが、サッカーのルールが現状のままである限り、誤審は永遠になくならないだろう。人間の目には限界があり、体力にも精神力にも限界がある。
毎週行われるJリーグにおいても、それが勝敗に直結するかはともかく、必ずミスは起きる。そして、これをブンデスリーガに置き換えても、プレミアリーグに置き換えても同じことが言える。
育成年代や、あるいは下のカテゴリーのリーグを観ていると、審判のレベルの低さに驚かされることが少なくないが、それは逆に言えば、Jリーグで笛を吹いている人たちが「選ばれた男たち」であることの裏返しでもある。
ただ、その彼らにしても1試合に数回はミスが出る。決して機械ではないので、調子の良し悪しもあるだろう。彼らの笛なり旗なりが、試合を左右してしまうことは往々にしてある。
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