9月30日にJリーグは2014シーズンJリーグクラブライセンス(Jライセンス)交付について結果を発表し、J1ライセンスが36クラブ、J2ライセンスが7クラブに発行されることがわかった。
JライセンスとはJ1リーグやJ2リーグに参加するためにクラブが保有しなければならない資格を指しており、Jライセンスの交付判定の審査については、第三者機関であるクラブライセンス交付第一審機関(FIB)が行っている。
財務面と施設基準についての判定が公表されているが、もっとも敏感に反応せざるを得ないのはやはり財務面の判定だろう。なにせこの基準は、
・3期連続の当期純損失(赤字)を計上していないこと(2012年度-2014年度の3年間以降で算定)
・債務超過でないこと(2014年度から算定)
以上の条件を満たせなければ、Jリーグから退会を余儀なくされるからだ。
今回、財務面でJリーグから何らかの指摘を受けたクラブは以下のとおりで18クラブにのぼった。Jリーグによれば「指導には『是正通達』および『個別通知』があり、『是正通達』のほうが重い指導となる。」のだそうだ。
なお、経営の安定性を示す自己資本比率(=((総資本-他人資本)÷総資産)×100)を併せて付記する。一般に15%を切ると危険水域と言われる数値だ。
●コンサドーレ札幌
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率-4.9%
●モンテディオ山形
J1ライセンス (前年「是正通達」から改善)
自己資本比率 10.7%
●栃木SC
J1ライセンス 是正通達(前年「個別通知」より悪化)
自己資本比率 -35.2%
●ザスパクサツ群馬
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率 -79.1%
●東京ヴェルディ
J1ライセンス 個別通知
自己資本比率 8.1%
●横浜F・マリノス
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率 -341.5%
●湘南ベルマーレ
J1ライセンス 個別通知(前年「是正通達」から改善)
自己資本比率 10.6%
●カターレ富山
J1ライセンス 是正通達(前年「個別通知」より悪化)
自己資本比率 15.6%
●名古屋グランパス
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率 9.6%
●FC岐阜
J2ライセンス 是正通達
自己資本比率 -240.0%
●ヴィッセル神戸
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率 -158.9%
●ガイナーレ鳥取
J2ライセンス 個別通知
自己資本比率 5.6%
●アビスパ福岡
J1ライセンス 個別通知(新規)
自己資本比率 14.5%
●ギラヴァンツ北九州
J2ライセンス 是正通達
自己資本比率 -21.0%
●V・ファーレン長崎
J1ライセンス 個別通知
自己資本比率 ?
●ロアッソ熊本
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率 -54.2%
●大分トリニータ
J1ライセンス 是正通達
自己資本比率 -286.3%
●カマタマーレ讃岐
J条件つきJ2ライセンス(J2入会審査合格がJ2昇格の条件となる) 是正通達
自己資本比率 ?
参照元:Jリーグ公式サイト
Jリーグから「是正通達」や「個別通知」を受けたクラブは、いずれも企業経営の安定性を示す自己資本比率が低いクラブばかり。
とくに自己資本比率がマイナスの札幌、北九州、栃木、熊本、群馬、神戸、岐阜、大分、横浜FMは、一般的な企業に当てはめれば、いつ倒産してもおかしくない状況といえる。
近い将来、Jリーグから退会を余儀なくされるクラブは現れてしまうのだろうか。
【了】
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