ロビーニョやジエゴらを見抜いた目
彼がブラジル国内で最も高い評価を受けたのは、2004年だった。サントスFCを18年ぶりにブラジル全国選手権優勝に導いたのだ。
レオンがサントスの監督になった時、主力選手は全て放出されていた。そこでレオンは下部組織の若手選手を登用した。その中に2人の天才がいた。ロビーニョとジエゴだ。特にロビーニョはガリンシャの正統な系譜ともいえるドリブラーの色気があった。
この直後にもぼくはレオンに話を聞いている。
この日はゴルフ場でランニング中心のトレーニングをしており、レオンはわざわざロビーニョとジエゴを呼んで紹介してくれた。二人とも身体が小さいことにぼくは改めて驚いた。
「私がサントスの監督になった時、誰も私が成功すると思っていなかったろう。ただ、下部組織に目をやると有望な若い選手が沢山いた。誰でも抜擢すればいいというものでもない。監督は選手を見抜く目が必要なんだ」
ロビーニョ、ジエゴの他、エラーノ、レナト、レオたちは全てサントスの下部組織出身だった。
「経験のある選手を扱う場合は、道を示すだけでいい。しかし、若い選手はそれだけでは迷ってしまう。監督は彼らと一緒に道を歩く必要がある。我々は勝つんだ、我々は勝てるんだと言い続けた。
そして若い選手にはストレスを与えてはならない。練習と同じことを試合でやればいいのだと落ち着かせたものだ。私は彼らを信頼して、彼らはその信頼に応えてチームは強くなった」