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韓国代表コーチの提言。W杯抽選会にフィジカルコーチが同行すべき理由

text by 元川悦子 photo by Norio Rokukawa

キャンプ地の視察にフィジカルコーチが同行しなかった日本

「ロンドン五輪の抽選会の時も同じようにインスペクションがありましたけど、自分が同行して洪明甫監督といろんな確認をしたことで、いい準備ができたと思います。五輪の時は中2日でスコットランドからイングランド、ウェールズを転々としながら試合を重ねたので、より過酷な状況だった。

 いかに選手たちをフレッシュな状態にして戦わせるかを考える意味でも、現場をしっかり確認しておいたことはプラスになりました。その経験は自分にとっても大きかったですね。

 ワールドカップと五輪は全く同じ条件ではないので、あくまで別物と考えてのぞむべきでしょうが、1つの参考にはなると思います」と池田氏は事前準備の重要性を改めて口にする。

 日本の場合、過去のワールドカップ抽選会にフィジカルを司る人間が同行し、そのままインスペクションにも行った例は少ないようだ。日本サッカー協会は大会前の準備に対する意識が高いため、協会スタッフや関係者は何人も派遣しているが、フィジカルコーチやトレーナーを現地に必ず行かせているわけではないという。

 今年6月のコンフェデレーションズカップ後に、ベースキャンプ候補地数カ所を視察した際も、現地に足を運んだのはアルベルト・ザッケローニ監督と原博実強化担当技術委員長の2人だけで、エウジェニオ・アルバレッラフィジカルコーチや早川直樹トレーナーは赴いていない。これは日本代表にとっても改善の余地がある部分だろう。

 キャンプ地については通常、抽選会の前に候補地がいくつか挙がっているもの。ブラジル大会の場合は、1次リーグの会場地次第で北の方がいいのか、南の方がいいのかを決めることになると思います。それを最終決定する際にも、コンディション担当者が視察して、ベストな選択をするのが理想的でしょう」と池田氏は話す。

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