抽選会にフィジカルコーチが同行するワケ
2014年ブラジルワールドカップは近年稀に見る過酷な環境下での大会になると予想される。ブラジルという広大な国は南北で気候が大きく異なるため、12会場のどこで試合をするかによって、戦い方が大きく変わってくる。
移動にしても一筋縄ではいかない。長距離バスが頻繁に出ているサンパウロ~リオデジャネイロ間で5時間ほど、それ以外の大都市を結ぶのはほとんど飛行機になるが、ブラジルでは遅延や欠航が頻発する傾向にある。
だからこそ、現地の環境をよく調べることが先決だ。日本人初の韓国代表フィジカルコーチの池田誠剛氏も「12月6日の本大会抽選会直後の現地インスペクション(調査)は、現場でコンディショニングに携わる者が必ず同行するべき」と強調する。
「抽選会というのはインスペクションとセットになっている。1次リーグ3会場を全て回り、スタジアムのピッチ状態やロッカールームはどうなっているか、ケガ人が出た時にどういう手順で病院へ搬送するのか、ホテルの場所や施設はどうなっているか…といった細かい部分を選手のコンディション管理を担当する人間が実際に見ないと意味がない。
また、試合までのトレーニング環境についても自分の目で見て確認するのがベストといえる。洪明甫監督からも『必ず同行できるようにスケジュール調整してほしい』という話がありました」