リーグとの両立は不可能に
それ故に、選手たちも追い詰められた状態でリベルタドーレスに集中する。やはり、G大阪も2008年にはリーグ戦で低迷していたこともあって、ACLだけは獲るという気迫に満ちていた。また、今年の柏と異なるのは大会中、最も難敵だった準決勝が同じJリーグ勢の浦和だったこともあり、過酷な海外移動を避けられる幸運も持ち合わせていた。
G大阪時代、毎年、全タイトル獲得を義務づけられていた西野朗元監督だが、あるシーズンの開幕前、こんな本音を聞かせてくれたことがある。
「リーグ戦とACLを同時に獲るなんて、現実的にはそんな簡単な目標じゃないよ」
決勝トーナメントに進出するチーム数も増え、広州恒大のようなワールドクラスの助っ人を擁する規格外のチームも存在する現在のACLは、リーグ戦との二兎を追いながら優勝出来る大会ではもはや、ない。
ACLに集中するというクラブの覚悟と、サポーターの理解、そして最も重要となる日程面でのバックアップなしに、ACLタイトルの獲得は不可能だ。
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