南米制覇のためにリーグを捨てるブラジルのクラブ
2008年にG大阪がアジア初戴冠を果たした際は、グループリーグ敗退(勝ち上がりは1チームだけだったのだが)に終わった2006年の反省を受けてチャーター便の導入や食事などホテル環境の充実などが徹底されていた。当時の主将、山口智は「クラブのバックアップがないと獲れない大会」と話していた。
リベルタドーレスは10000キロ近い移動や4000メートル級の高地での試合も珍しくない世界で最も過酷な大会ではあるが、広大なアジアを移動し、しかも時差のあるACLも肉体的にダメージが蓄積する大会だ。
2日の準決勝セカンドレグまでに柏がこなしたのは20日間で6試合の過密日程。かつて世界で屈指の過酷なカレンダーを強いられていたブラジルだが、リベルタドーレスで勝ち上がるチームはその間に行われるブラジル全国選手権をほぼ捨てる覚悟で主力の多くを温存させる。
そして今年南米を制したアトレチコ・ミネイロは決勝戦直前の全国選手権をブラジルサッカー連盟に依頼して、日程変更。こうした柔軟さもJリーグに欠けている点であろう。
ただ、ブラジルの多くのクラブがこうした極端な戦い方を選択出来るのもサポーターの理解があってこそ。リベルタドーレスが最優先されるサッカー王国だけに、この大会で勝ち上がっている限りはリーグ戦の低迷も黙認されるのだ。
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