ターンオーバーしても良かった柏
8チームによる決勝トーナメントだった浦和やG大阪の優勝時と異なり、柏は決勝トーナメント1回戦で全北現代を、準々決勝で苦戦の末にアルシャバブを破り4強まで登り詰めた。
それだけに悔やまれるのが、疲労困憊で挑んだ広州恒大との準決勝1回戦ファーストレグに対する準備である。わずか4日前にリヤドでのアウェイ戦を戦ったばかりの柏はほぼメンバーを落とすことなくC大阪戦に挑み、1対1でドロー。その3日後にホームで痛恨の1対4のビハインドを背負うことになる。
ターンオーバーを実施する選手層がなくても、南米最高峰のカップ戦、コパ・リベルタドーレスを勝ち上がろうとするチームは、直前のリーグ戦はGKさえも含めてレギュラーのほとんどを温存するが、リベルタドーレスを戦った経験を持つネルシーニョ監督なのだから、少なくとも主力の多くを温存するべきだった。
それでなくても、対戦相手にはブラジル全国選手権MVPのコンカやブラジル代表経験を持つエウケソン、さらにはフィジカルモンスターのムリキを擁する広州恒大が相手だったのだ。
地力で互角以上の相手にホームで大敗を喫した時点で、柏のアジア制覇の道は断たれていたと言っていい。
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