エースになれるチャンスだが精彩を欠けば…
絶好のカウンターチャンスをのぞき、屈強で柔軟なセンターバックコンビを同時に出し抜くことは難しい。柿谷としては、細かい動きでマークを浮かせながら、DFラインの手前ではシンプルにボールを捌き、岡崎や香川の斜めの飛び出しを引き出すことで、センターバック・コンビの守備を分散させたい。
柿谷は鋭い動き出しや正確なトラップにも定評があるが、並はずれた決定力こそザッケローニ監督の評価を高めた大きな要因だ。その強みを欧州のアウェーでも発揮できれば、本大会に向けてもチームの信頼に足るエースとして認められる。逆にことごとく精度を欠く、あるいはフィニッシュの手前でDFに潰される様なら主力定着に疑問符が付くことになる。
今回は柿谷にとっても、齋藤、山口、森重にとってもA代表では初めてのアジア外のアウェー戦であり、セルビアという難敵を相手にトライした上で学ぶことも出てくるはず。しかし、可能性という意味ではポジティブなものを示せなければ、ザッケローニ監督の評価を大きく落とす結果になりかねない。
セルビア戦は彼らにとってまさに試金石なのだ。
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