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「中村俊輔は睡眠薬を使用してでも調整した」韓国代表コーチが提言する、代表で結果を出すための高い意識

text by 元川悦子 photo by Asuka Kudo / Football Channel

実績のある選手を韓国代表に選出しなかったワケ

 その池田氏は選手のコンディショニングについて「代表チームはクラブあってのもの。クラブで試合に出ることがベストコンディション維持のための最重要なテーマ。現在の韓国代表では、基本的にクラブで試合に出ていない選手は呼ばないというのが洪明甫監督の考え方。それに私も賛同しています」と強調している。

 確かに7月の東アジアカップからチーム作りをスタートさせた洪明甫(ホンミョンボ)監督は、東アジアと8月のペルー戦はKリーグ・Jリーグ・中国スーパーリーグ組だけでチームを構成。シーズン開幕前後の欧州組の招集を見送っている。それは欧州組の体調やクラブ内の立場を考慮した措置だったようだ。

 9月のハイチ・クロアチアとの2連戦は試合に出ている孫興民(ソンフンミン)や具滋哲(クジャチョル)ら欧州組を複数招集したが、出場機会を失っている朴主永(パクチュヨン)、奇誠庸(キソンヨン)は呼ばなかった。

 国内メディアからは「なぜ朴主永を招集しないのか」という批判もあったようだが、洪明甫監督はクラブ最優先というスタンスを曲げなかった。

「選手にとって代表でプレーすることは大きなステイタス。ただ、海外で試合に出ていなくても呼ばれるとなれば、誰もが気軽に海外へ行こう考える。確かに海外クラブの方が年俸も高いし、環境もいいだろうけど、試合に出られなければ個の力やコンディションも上がらない。監督交代やチーム事情によって試合出場機会が得られないのなら、国内に戻ってプレーするのも1つの選択肢だと思います。

 日本でも阿部勇樹がレスター・シティのパウロ・ソウザ監督に気に入られて現地入りしたものの、直後に指揮官が更迭され、1年半後に日本に戻ることを選んだ。試合に出ることの重要性も感じたから、阿部はそうしたんだと思う。そういう勇気は大切。洪明甫監督もクラブありきと考えているからそういう判断を下しているんでしょう」と池田氏は強調する。

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