香川が語る「改善」とは何か?
前回のコラムでも述べたように、ウェストブロム戦における香川の攻撃面のパフォーマンスは悪かったとは思わない。コンディションが上がり調子だったこともあり、アンデルソンのヘッドがバーに直撃する決定機を演出したシーンもあったし、縦パスを受けてターンするとボックスの外から積極的にシュートを狙うシーンもあった。
それでも、モイーズ監督にとっては納得がいかないのだろう。もう少しゴールに対して直線的なプレー、具体的に言うなら「一度バックパスを戻して受け直す」といった回りくどいプレーより、「ドリブルを仕掛けてクロスを上げる」「ミドルシュートを放つ」といった攻撃のほうが好みなのだろう。
しかし、こうしたモイーズ監督の認識を破壊する方法はある。シンプルなことだが、香川自身が得点を取るということだ。
香川本人もウェストブロム戦後に「もっともっと改善する必要があるし、さもなければこのクラブで生き残れない」と語っていたが、この場合「改善」というのはまさに「得点を取ること」であると言える。
ゴール前に飛び込んで泥臭い形で奪うようなものであったり、あるいは代表戦で見せたようなミドルシュートであったりと、形はともあれゴールへのより直接的なアプローチを増やすことがモイーズ監督の信頼を勝ち取るために必要になってくるだろう。
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