先日、松本山雅のホームスタジアムのアルウィンに行ってきた。到着するなり飛び込んできたのは松本山雅のサポーターの緑一色。今季の34節ガンバ大阪戦では17,148人というアルウィンの動員記録を更新した。
そんな松本山雅サポーターのアルウィンへのアクセスはほとんどが自家用車。松本駅からシャトルバスも運行しているが、ある松本山雅サポーターによれば「まだまだ浸透していないんじゃないですかねえ」とのこと。どうやら、アルウィン周辺に住んでいる人たちがホームゲームに大挙している実態が覗える。
Jリーグのサマリーレポート2012によれば、松本山雅サポーターの自宅からアルウィンまでの平均アクセス時間は、37.6分。ちなみにこれはJリーグ全体で6番目に短い数値だ。
スタジアムまでの平均アクセス時間のJ全体のベスト5は以下のとおりで、いずれもJ2クラブだった。
1位 湘南ベルマーレ(33.2分)
2位 ロアッソ熊本(34.8分)
3位 ファジアーノ岡山(35.9分)
4位 大分トリニータ(37.1分)
5位 ヴァンフォーレ甲府(37.3分)
このデータだけでは、平均アクセス時間とクラブの観客動員数との相関関係を見ることは難しいが、さらにJ1とJ2の数字を読み比べていくと興味深いことに気づく。
J全体の平均アクセス時間は52.9分だが、J1クラブ全体の平均アクセス時間は58.5分、J2クラブの平均アクセス時間が41.6分という結果だった。
J1クラブのサポーターは、自宅からスタジアムまで31~60分という時間でアクセスしている分布がもっとも多く、J2クラブのサポーターは30分以内でアクセスしている分布がもっとも多かった。
この結果から言えそうなのは、J1はより広域からサポーターが大挙し、J2はホームスタジアム近辺のサポーターが多い傾向にある、といったところだろうか。
ちなみに、Jクラブ全体の平均アクセス時間のワーストは以下のとおりで、いずれもJ1クラブだった。
1位 鹿島アントラーズ(118.7分)
2位 ジュビロ磐田(67.6分)
3位 名古屋グランパス(67.4分)
4位 清水エスパルス(66.5分)
5位 サンフレッチェ広島(62.8分)
※参照元:Jリーグスタジアム観戦者調査2012サマリーレポート
鹿島アントラーズの平均アクセス時間が飛び抜けた高いのは、鹿島と東京を結ぶシャトルバスが充実しているからだろう。毎回ホームゲームには東京から片道2時間以上かけてスタジアムへ駆けつける東京近郊在住のサポーターが大挙する。それが人口60,000人の鹿嶋町をホームタウンにする鹿島アントラーズが常に15,000人ほど集客できる理由なのだ。
【了】
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