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Jリーグ 11年前

ACLで勝つために。Jリーグに求められる規制緩和

text by 神谷正明 photo by Kenzaburo Matsuoka

資金力だけで勝敗は決まらないが…

Jリーグに求められる規制緩和
今年のACLに出場したJクラブで、2012年の人件費が最も高かったチームは柏で約20億円だった【写真:松岡健三郎】

 成績が残せなくなってきているのは、簡潔にライバルたちとの戦力差が広がってきているからだが、その要因の1つは資金力の違い。強さと資金力が相関関係にあることはよく知られている。お金があるチームほど能力の高い選手を揃えられるからだ。

 サッカーはロースコアゲームのため、戦力差が必ずしも結果に比例するわけではないが、それでもお金持ちのクラブはそうでないところよりも基本的にはいい成績を収める。それは別にサッカーに限った話ではない。

 今年のACLに出場したJクラブで、2012年の人件費が最も高かったチームは柏で約20億円だった。浦和はそれより若干少なくて約19億円。それに対し、広州恒大はコンカを司令塔に置くためだけに移籍金約10億円、年俸約10億円を払っていると伝わっている。

 ちなみに広州恒大は「年俸は10億ではない」と否定したが、新たに出してきた数字は約7億円。どちらにしても、コンカ1人でJトップレベルのクラブを賄えてしまう金額であり、財力には雲泥の差がある。

 サッカーは資金力だけで勝敗が決まるわけではない。中東のクラブはそれこそ無尽蔵にお金を出せるくらいお金持ちだが、ACLで圧倒的に強いわけでもない。

 ただ、それは資金源の王族が“お金も出すが口も大いに出す”のでチームが滅茶苦茶になってたいした結果が出ていないだけで、広州恒大のように“普通に”サッカーができる環境であれば話は別だ。

 世界的名将のリッピ監督が首脳陣の顔色を窺うことなく采配を振るい、コンカ、ムリキ、エウケソンといったアジアでは反則レベルの選手を揃えるチームの勝ち進む確率が高くなるのは道理だろう。

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