乗り越えるべき“個の能力の差”
栗澤僚一が言うように、ACLでは「Jリーグにはない特徴を持った国、チームと戦うことができる」。暴風雨のようなパワープレーを持つ全北、独特のテンポとしなやかさを兼備したアルシャバブ、そして個の能力に長けた広州など、その色は様々だった。
グループリーグを通じて全12試合6チームと対戦し、近藤も「選手全員、経験値は格段に上がっていると思う」と話している。
広州戦で突きつけられた“個の能力の差”は日本サッカーの永遠のテーマでもあり、柏にとっては2年前のFIFAクラブワールドカップで、ネイマールやガンソから付きつけられたサントス戦と非常に酷似している。
だが、あの時は「相手がサントスだから」と別次元であっても仕方がないという気持ちが、どこかに生じていたのかもしれない。
しかし、広州は同じアジアのクラブだ。彼らを越えない限り、柏はもとより、Jリーグ勢はアジアのタイトルを再び手中に収めることはできない。つまり、冒頭でも述べたように必ず越えなければならない壁でもある。
個人の差というものは、そう簡単に埋められるものではないが、こういうことを肌で体感できたのは、柏がACLでベスト4まで勝ち進めたからであり、勝ち進めなければ分からなかったことだ。